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最初の同人誌 ROM（Revisit Old Mysteries）112号　加瀬義雄・編（※サブタイトル無し）（検索用語：『ある中毒患者の告白～ミステリ中毒編～』）あ行

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画像②

2001年刊

経年相応

※英ミステリ誌「CADS」に倣って「特集無しの形態」で編集された『ROM 112号』でしたが、実質的には加瀬氏が大車輪の活躍でいつにもまして多くのレビューを寄稿した結果（画像②参照）、「ヒラリー・ウォー初期作の特集号」と称して差し支えないものになっています。

※天才型の名探偵や、ハードボイルド派の私立探偵といった個人の活躍によって事件の謎が解明される旧来のミステリが、やがて1950年代を迎えるにあたって大きな変革を遂げることになった…その成果が「警察小説」という「特別扱いされる主人公」の存在を廃した「組織によって事件解決がなされるミステリの新形式」でした。

ただし最初は「大都会」を舞台にすることが主流だったこの「警察小説」という新形式のミステリには、その物語構造上「タレコミだけで事件が解決しかねない」という厄介な弱点が抱えられていたため、そこへ微調整を加えて舞台を「小さな町」にすることで、警官達の活躍にスポットライトを当てやすくすることに成功したのが、他ならぬ我が「フェローズ署長シリーズ」だ…というのは自著『Guide to Mysteries & Mystery Writing』におけるヒラリー・ウォー当人の弁。

※レア同人誌『ある中毒患者の告白～ミステリ中毒編～』の元テキストとなっているM.K.氏による未訳ミステリ・レビュー20篇分、並びに91～112号までの総レヴュー632篇分の採点表インデックスが掲載されています。

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※『ROM』リバイバル号として刊行された『Re-ClaM ９号』の巻頭の言葉にあるように、「当時のROM会員間でのみ流通され、通販もなかった」ために外部の人間には入手手段がほぼ皆無であったことから、今や伝説と化している同人誌が、この『ROM（Revisit Old Mysteries）』です。